STAR DRIVER - ヘッドとケイトの台詞

いよいよ終章のスタドラが相変わらず面白いので、またちょっとした記事を。23,24話の以下の台詞について。


「ツナシ・タクトは幼少の頃からスタードライバーとして訓練されてきたんだ。しかも、か弱き者を守れとかいううざい家訓の元にね」(23話よりヘッドの台詞から抜粋)


「アイツ(ワコ)は直接脅したりはしないけど、その気になればいつでも貴方(スガタ)を殺せる事を匂わせていた」(24話よりニチ・ケイトの台詞から抜粋)


これらはあるキャラが別なキャラを差して言った台詞ですが、こうした台詞はよく、「客観的に正しく捉えた、対象となるキャラの説明」になりがちな所だと思います(或いは誤解によるすれ違いのために間違った認識を用いられたりもありますが)。
ただ、この二つは少し性質が違うんですよね。


ヘッドはタクトのことを完全に理解してるような口ぶりながら、この台詞以外でタクトを息子だと言っているような台詞が全然なく、そもそもソラの事も記憶が定かではない。それとタクト自身に関しても16話を観る感じかつては普通に遊んでいたようで、噛み合うかは少し分からない。
つまりこれはタクトのことを説明している台詞というより、ヘッド自身が自分の過去について話している台詞に近いんですね。
父の訓練に耐えられず、家訓も気に食わなかったためにシルシを与えられなかったのか……ヘッド……とw
ヘッド自身絵を描くのが好きな性分であったり、自分本位な性格であったりですしね。


ケイトの方は、こちらも作中であまり見えなかった部分で、真実性が少し見えない。
ワコは特に15話を観るに巫女の使命にかなり自覚的なのが分かるし、19話ではタクトを殺す覚悟すら見せたので、巫女の使命のためスガタを殺す事も厭わないかも知れない。
ただ多分ワコは過去にスガタがトーテムポールから自分を助けた際の怪我を自分のシルシで治癒したと思っている事から、スガタの命が巫女の封印と一蓮托生だと考えて(メイド二人もいますし)そうした素振りをケイトに見せていたのだろうと思います。
ケイトはスガタへの愛の分巫女としての態度をとるワコが気に食わず(嫌悪を露わにしましたし)、正妻ワコへの恐れからこうした解釈をしたのではないかな、と。


これらの台詞は対象キャラへの説明というより、当人のパーソナルに直結する意味を持ったものなんだと思います。
段取り的な説明でなくそのキャラの人物像そのものを察する事が出来るような。
それに当然、ヘッドの台詞はツナシ家がどういう家だったか、ケイトの台詞はワコの巫女としての振る舞いを想像させますね。
そうした色々な意味合いを読める所がまた本作のドラマの豊かさを感じさせて面白いな、と思います。