話数単位で選ぶ、2015年TVアニメ5選

なんと1年ぶりの更新です! こわい!


相変わらずアニメ・マンガ評論刊行会さんのところで編集としてアニメ評論集同人誌「アニバタ」に携わっています。
書店委託通販もありますので、ご興味ありましたらよろしくお願いします。


では、2015年のTVアニメから個人的ベストを選んでいこうと思いますが、今回は10選ではなく5選とします。
自分の視聴数が例年より落ちているのもありますが、厳選したいなと思いまして。

<ルール>
・2015年1月1日〜12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。
・1作品につき上限1話。
・思いついた順に掲載。順位は付けない。


■『アイドルマスター シンデレラガールズ』 第17話「Where does this road lead to?」

脚本/雑破業 絵コンテ/鈴木健太郎 演出/矢嶋武 作画監督/田村里美、古橋聡

城ヶ崎美嘉の葛藤を軸に、城ヶ崎莉嘉の自己表現の苦しみ、赤城みりあの家庭の悩みを一つのドラマにまとめ上げた傑作エピソード。
美嘉の広告のショットが決まるラストまで神経の行き届いた雑破業さんの構成の妙が光っていました。
C89にて頒布した「アニバタ vol.14 特集 アイドルマスター シンデレラガールズ」では本エピソードを中心に雑破業さん脚本について書いています。
今回のアニバタも書店委託通販をしていますので、見かけた際はよろしくお願いします!(熱い宣伝)
あと、このエピソードが好きな方におすすめしたいのが、雑破業さんが実質のメインライターを務めた『戦国コレクション』です。アイドル回もあるよ!


■『Go!プリンセスプリキュア』第22話「希望の炎! その名はキュアスカーレット!」

脚本/田中仁 絵コンテ・演出/田中裕太 作画監督/中谷友紀子

プリキュアシリーズで経験を積んできた田中裕太さんの初シリーズディレクター作品らしく、プリキュアのドラマの肝要を押さえたエピソード。
短調のメロディが長調のメロディと重なり完成した曲と、過ちも含めた自己を肯定するトワのドラマをリンクさせるギミックが見事でした。
作画面も板岡錦さんの炎エフェクト、藤井慎吾さんの抜群の空間表現によるアクション、志田直俊さんの火の粉を活かした変身バンクなど見所多数。


■『えとたま』第拾弐話「干支繚乱」

脚本/赤尾でこ 絵コンテ・演出/追崎史敏 CGコンテ/新井陽平 CG構成/和岡つかさ 作画監督小池智史秋山由樹子、白井順、追崎史敏

白組の抜群のCGアクションを堪能しつつ、佐藤順一門下ともいえるエンカレッジらしいハートウォーミングなドラマを楽しめた一作。
チュウたんの「嫌いだ」からの感情が爆発する一連の場面に、このシリーズを観てきた甲斐を感じました。


■『ご注文はうさぎですか??』第8羽「スニーキングストーキングストーカーストーリー」

脚本/ふでやすかずゆき 絵コンテ/山崎みつえ 演出/荒井省吾 作画監督/Lee Duk Ho、Kim Jeong Eun、Cha Sang Hoon、油谷陽介、りお

キッズアニメライクなコメディ感覚とハートウォーミングなドラマ作りが日常ものの中でも好みの本作。
このエピソードは、ふでやすさんの脚本をさらにドライブさせる山崎みつえさんの絵コンテが良かった。
三つ巴になり硬直する場面は、個人的な本作の瞬間最大風速でした。


■『少年ハリウッド -HOLLY STAGE FOR 50-』第22話「ファンシーメルシーブラックコーヒー」

脚本/橋口いくよ 絵コンテ/井出安軌 演出/森義博 作画監督/謝苑倩、鎌田均、中山初絵、糸島雅彦、北川大輔

劇場内や作品内番組など、箱庭的な世界での舞台劇的な作風の多い本作の中では珍しい、外でのゲストキャラとのドラマ。
絵コンテは『おねがい』シリーズを手がけた井出さん。佐伯キラの失恋と成長のドラマは、変化球の多い本作の中では特にストレートに響きます。
アイドルアニメの中でも、失恋エピソードをここまで爽やかに描けるのは男子の特権だなとも思わされました。


以上です。


番外編として、日本アニメ(ーター)見本市の『ザ・ウルトラマン ウルトラマン対ジャッカル』を。
巧みな空間表現で説得力を持たせつつ特撮本編の感触も残したウルトラマンの宇宙での戦闘には、特撮好きとして目頭が熱くなりました。


2016年はまた10作選出できるようになれば良いなと思います。
また明日は、何もなければ「放送回単位で選ぶ、アニラジ5選」をやりたいなと考えています。


2016年1月11日に新宿ネイキッドロフトにて、このTVアニメ10選企画を語るイベントがあるそうですね。

各々様々な視点を持つアニメブロガーの皆さんが登壇されるようで、気になるイベントです。


・今までの10選