AqoursのLoveLiveにある、現実とアニメの連動を振り返る
2016年にアニラジの話をして以来、はてなダイアリーがはてなブログに移行してなお
放置しきっていた当ブログですが、ラブライブ!フェスを前にひとつ書きたいことを
記事にしておこうと思いたち、筆を執りました。
というのも、AqoursもTV出演や取り上げられる機会が多いのですが、紹介の際は
まだ「アニメとのシンクロダンス」という点に終始することが多いなと思っていて。
もちろんそれもμ'sから引き継いだ核の一つではありますが、Aqoursのパフォーマンスは
アニメからのフィードバックだけでなく、アニメとダンスが相互に連動した構成に
独自の魅力があると私は感じています。
あまり他の方がそこに触れているのも見ないので、今回書いていこうかなと。
アニメと完全に重なり合う構図
Aqoursの1st LoveLiveは「青空Jumping Heart」で始まります。
動画のサムネイルでも分かりますが、この曲では冒頭、アニメのキャラクターと
ステージに立つキャストのシルエットが完全に重なり合います。
アニメとステージのリンクまで計算して、アニメの構図や振り付けを作り込んでいる
ことに当時衝撃を受けました。
アニメの世界のより近くへ
さかのぼると、Aqoursのデビュー曲である「君のこころは輝いてるかい?」でも
アニメと同じダンスをする以上の作り込みがありました。
最後のサビの「知らないけれどまぶしいね」のアニメのカットは雨上がりの青空。
そしてこの時のキャストの振り付けは、「空に両手を伸ばす」というもの。*1
この時、我々がステージに見るのは「雨上がりの青空に両手を伸ばす少女たち」
というアニメの世界そのままの景色です。
振り付けとカメラワークのダイナミックな連動
TVアニメ第2期OP「未来の僕らは知ってるよ」では、振り付けとアニメの
カメラワークを連動させています。
サビの「探して」のところで腕を右から左へ大きく動かす振り付けにあわせて
カメラも一気に反対側に回り込みます。
このダンスとカメラワークの連動が、ステージを一層ダイナミックにしています。
この時の構図の格好良さは、酒井和男監督や3DCGを制作するサブリメイションの
持ち味だなとも感じますね。
現実とアニメが地続きの階段
Aqours最新のLoveLiveである5thも、素晴らしいパフォーマンスが多く
「Brightest Melody」のサビ前の衣装替えや、「Next SPARKLING!!」の虹など
挙げればキリがないのですが、今回はこの「Hop? Stop? Nonstop!」を。
冒頭からアニメとキャストの9人の並びが揃っているのが壮観ですが
今回の見どころは、スペイン広場をモチーフにした階段のステージ美術。
現実のステージの階段が、そのままアニメ内の階段と地続きのように
並ぶ瞬間が多く、現実とアニメのより強いリンクが感じられました。
試聴動画にはない部分ですが、この落ちサビ前ではキャストが階段を登っていって
青ジャンよろしくキャラとキャストが重なり合うところも最高。
手を取り合って、わちゃわちゃと揃う8人×2の姿が、鞠莉/愛奈ちゃんの愛した
Aqoursそのものなんだよなぁと。
アニメの先の物語を描いたパフォーマンス
最後に、AqoursのLoveLiveでも一つの金字塔といえる4thの「想いよひとつになれ」を。
TVアニメ第1期では、ピアノコンクールに出た梨子を除く8人で披露した曲ですが
4thでは9人verに再構成しての披露となりました。
NHKの特集番組では「シリーズ初のシンクロを破ったパフォーマンス」と紹介されて
いましたが、個人的には「アニメの先を描いたパフォーマンス」と思っています。
ダンスのシンクロはどうしてもアニメが前提になりますが、4thの「想いよ~」は
現実のパフォーマンスが、TVアニメのその後の物語を描いているようで
ラブライブ!シリーズの表現に新しい可能性が生まれた、歴史が動いた瞬間を見た
思いがありました。
というわけでラブライブ!フェスを前に、AqoursがこれまでのLoveLiveで行ってきた
現実とアニメが連動した、インタラクティブなパフォーマンスをピックアップして
振り返ってみました。
もちろんAqoursは他の楽曲も、アニメ映像がなくてもフォーメーションの妙や
脂の乗ったパフォーマンスと、見どころが多いグループだと思います。
Saint Snowは持ち曲ロックアンセムしかないし、ニジガクも1stで仕上げてきたし
μ'sがいる……どうなってしまうんだ……。
*1:上の動画の2:35からの「今日も太陽は~」と同じ振り付け