「スイートプリキュア♪」を振り返ろう パワーバランス編

流石に「話数単位で選ぶ○○年TVアニメ10選」が最新タイトルに二年分並んでるのはやばいので記事を書きます。


今回ともしかしたらあと数回は放送終了が迫っている「スイートプリキュア♪」を振り返ろうかなと思います。
メインのお話に関しては先にTwitterの方でぼちぼちPostしてますが、今回はもうちょっと細かいパワーバランス描写の面白さについて。
ストーリー構成はその時々のメインになる事柄に話数をかけるゆるやかさのあるシリーズで、ある程度一気観するとまた楽しめるものですが、そうして見ていると本作はパワーバランスが上手いこと拮抗して描かれていると感じられました。


分かりやすいのは追加戦士が登場する辺りで、登場してすぐだとこういう追加戦士は他を圧倒する強さを描かれるものですが、
キュアビートが仲間になる第23話ではビートの不意を突く敵をメロディとリズムが阻止するという描写があります。
おおよそビートの見せ場は作られていますが、彼女一人で勝てるわけでもないというのを明確に描いているのが良いですね。
第27話など、他の話数でもビート一人より協力しあう描写の方が目立ちます。
それと、初期はプリキュアの仲を裂こうとする作戦を何度もやっていましたが、それをやっていたエレンが仲間になったら第25話でそうした作戦が通用しなくなり、以降ほぼなくなるのも面白いところw


ミューズは更にテクニカルで、プリキュアとしての力が発現した時期が早い分の経験値がありながら、実の父を相手に直接戦えなかったため
後発ながら第一線で戦っていたメロディやリズムの方がどんどんベルティエや必殺技を発現するという互いに長短のあるバランス感覚。


特撮なんかでも追加戦士が出始め強くて段々と負けるようになる(敵の強さの表現のためなどで)アンバランスさは良くありましたが、スイプリはその辺りに一貫性を持たせられていたのではないかと思います。
スイプリにおけるプリキュアの力の源は仲間との協力によるハーモニーパワーなので、一人だけ飛び抜けることのないバランスの取り方になっているんでしょう。そこが肝なので、追加戦士登場後にそのキャラをメインに据えたエピソードに話数を割いたりもするのかな、と。基本フォローが必要なキャラというのもあり。


敵側に関しても、音符集めとは別に毎回ネガトーンによって人々の悲しみが蓄積されてノイズの力が増していることで
トリオやネガトーンにも段階的に力が与えられていくので「最初からそうしろ」的なものがなく描かれていると思います。
また、ノイズは本来メイジャーランドの国王であるメフィストや三銃士であるトリオを操り手中に納めており、
メイジャーランドの戦力を周到に奪っていってるんですよね。
クライマックスでもメフィストやトリオ、音吉らが先に倒されたり、プリキュアとして少女に戦わせねばならない状況を予め作っているのは見返してみるとなるほど、と思ったり。


構成としてはゆるやかだったり、異世界と主人公達の街が似ていて異世界寄りのメルヘンな雰囲気の作品ながら、
戦闘周りのパワーバランスのさじ加減はなかなか上手い、いぶし銀なwシリーズだったなと感じるところでした。