話数単位で選ぶ、2010年TVアニメ10選

すっごい出遅れた感じですがw

「話数単位で選ぶ、2010年TVアニメ10選」が熱い - karimikarimi

この企画をやってみたかったのと、ブログをとりあえずやってみようかなぁ、というので始めてみました。


ルール

・2010年1月1日〜12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。

・1作品につき上限1話。

・思いつき順。順位は付けない。



まっつねさん同様、全体が面白い作品(ハガレン、スタドラ、四畳半など)は除いています。

そうした作品は普通に総括した年間ベストに載せるでしょうし。

後、ルールとして各作品の上限1話と後から気づいてその形で修正したんですが、結局ハトプリだけ贔屓目な感じになってますw





10選リスト

ハートキャッチプリキュア!第34話「すごいパワーです!キュアムーンライト!!」+α

・会長はメイド様第20話「副会長は王子様!?/AOIとユカイな仲間たち」

ソラノヲト第1話「響ク音・払暁ノ街」

・学園黙示録第12話「All DEAD'S attack.」

ジュエルペットてぃんくる第33話「夢に向かってドッキ☆ドキ!」

ストライクウィッチーズ2第6話「空より高く」

・アイ!マイ!まいん!第102話「妖精さんと蛍の川」

デジモンクロスウォーズ第11話「クロスハート、燃える!」

ミルキィホームズ第6話「王女の身代わり」

・パンティ&ストッキング第11話「悪魔のような女たち」





ハートキャッチプリキュア!第34話「すごいパワーです!キュアムーンライト!!」


(・第32話「イケメンさんと対決?そんなの聞いてないです〜!!」

・第33話「キュアムーンライト、ついに復活ですっ!!」)



この辺りは録画を一気見する形で視聴して、その流れがとても良かったので。

32話後半、プリキュアを応援する妖精達のカット割からモンタージュ的にゆりの主観にフォーカスしていく座古さんの演出が次の話数に上手く繋がっていく快感。

続く33話も畑野さんと為我井さんの仕事が流石で、大塚健さんによるバンクも短いながら立体感が良かったですね。

34話は大部分を馬越さんの最大の武器であるアクション作画で見せながらも、繊細な表情もデフォルメも出来る馬越さんの万能さが凝縮されていて素晴らしいです。

次点として第30,31話も。ここから演出ローテ鉄壁なんですよね。

この辺りからゆりの過去にフォーカスしていく構成になっていて、山田さんの構成の妙もあり。

ハトプリは各話より構成の流れに目が行きますね。

山田さんの弟子の方々から繋いで本人ががっつり2話連続で書くコントロールっぷりですし。

後、31話は地岡さんの演出がエロくてwもも姉がw



・会長はメイド様第20話「副会長は王子様!?/AOIとユカイな仲間たち」



全体としても桜井さんの個性と手腕が出てるんですが、本人のコンテ回は伊達じゃなかった。

これより前のコンテ回でも絵が先行してるようなセリフの挿入とか面白かったですが、この話数では喋るセリフとは別なセリフを文字で書く演出が多用されて2話構成を圧倒的なテンポで見せてくれました。

桜井さんの作品はセリフ量が半端ないんですが、本人は脚本まではやらないんですよね。

桜井さん自身のセリフのコントロールとしての文字演出って面でも面白かったです。



ソラノヲト第1話「響ク音・払暁ノ街」



少女が<川を挟んだ>街に<橋>を渡って来る、という越境から始めて、<祭り>の中で、<水中>に落ち<骨>を見て、<上手>の女神と音楽を交わすことで発見されるという死と再生を演じる。

要するに違う土地から来た主人公が擬似的に一度死んで生まれ変わり、その土地に受け入れられるという話なんですね。

儀式的な手順を踏んだ演出が素晴らしい導入でした。



・学園黙示録第12話「All DEAD'S attack.」



正直、マッチョイズムが強く打ち出された内容で全体としてはかなり苦手で好きじゃない作品なんですが、特にBパートが作画アニメ的にとても充実していたので挙げました。

基本的に話は苦手だからあんまりキャラの感情も拾わず、普通に観ていても何か決着がつく訳でもないので、話を追う必要がなく作画を楽しめたのが良かったですw

やっぱり馬越さんの殺陣ですよ。あの真俯瞰!

それと、変わった爆発エフェクトもあったんですが、あれは中井準さんだったんでしょうか?



ジュエルペットてぃんくる第33話「夢に向かってドッキ☆ドキ!」



島田満さんと中村誠さんがかなり時間をかけたという脚本で、底まで落としてからの上昇の仕方が気持ちよかった回でした。

山田さんの脚本回でもミリアで同様の事をしてましたが、底まで落としてから上げるまでに不必要に間を取らないバランスが良かったですね。

この回は上昇する所で二段階くらい盛り上げるのも良くて、流石出崎筋な振り切りの気持ち良さを感じました。



ストライクウィッチーズ2第6話「空より高く」



挿入歌がかかる前に、エイラとサーニャをそれぞれ三回ずつ切り返しでアップにしていくってのが、ライブの始めにドラマーがスティックで1,2,3…と合図を取るみたいで格好良いです。

しかもちゃんと段々カメラが寄っていってて、最後でサーニャにちょっと動きを付けると。

最後の爆発エフェクトも独特だったんですが、あれは何か資料があるのかなぁ、とちょっと気になってます。

そもそも超高高度で、サーニャがあんな爆風に吹き飛ばされる様な描写がハッタリなんですが、そこを挿入歌からの無音という印象的な演出で気を引きつけるというのが上手いですね。

無音も宇宙を意識させる表現ですが、そうしたより印象の強いリアリティで別な部分のリアリティから意識を引き離す、という大胆さに痺れました。



・アイ!マイ!まいん!第102話「妖精さんと蛍の川」



いちご天使とかデュエットダンス回とか、作画の見所がある回も結構あるんですが、一つの話としてはコレ。

出崎フォロワーである柳沢さんの演出は単なる説明みたいな場面にはせず背景だけ次々変えたりと見せてくれました。

正味5分なので、場面を飛ばす出崎系の演出がはまりますね。

蛍の川から天の川……そしてあのオチ、というwww

後柳沢さんは作監もやってるんですが、ミサンガが妙に角ばって描かれてる所とかに特徴を感じたり。



デジモンクロスウォーズ第11話「クロスハート、燃える!」



一時間スペシャルの後編で、丁度1クール目終盤に当たる回。

主人公達の団結を貝澤さんが腕クロスのカット割で見せて、その後の戦闘で冨田さんががっつり原画を描くという、山場が非常に意識された話とスタッフ配置でした。

冨田さんは本作ではバンクの他にスターアニメーター的な原画参加をしていて、東映アニメらしい攻め方だなぁ、と。



ミルキィホームズ第6話「王女の身代わり」



ミルキィホームズを挙げる人は4話が圧倒的に多かったから、というのもありつつ。

森脇監督繋がりの湖山さんや佐々木さん、メイド様の制作ラインからの神保さんや桜井さんといった演出陣の中でイレギュラー的な面白さを持っていたのが中野さんと吉原さんだったんじゃないかな、と。

4話はC級アニメ的な画面作りとちょっと外したテンポの脱力感が魅力でしたが、この回はハイテンションな暴走作画をメインにした見せ方と、話数によって違った魅力があるのが本作ですね。

とはいえこの回は作画に暴走させるだけでなく、過剰なハーモニーで意表を突いたりと中野さんのコントロールがちゃんと効いていたのが良い所。

教会に乗り込む場面でミルキィホームズを挟んで上手下手をきっちり押さえて、会長に諭された場面でのイメージと対応する王女の観客へ向けて話すカット、としっかり話の流れが組まれている辺りが良かったです。



・パンティ&ストッキング第11話「悪魔のような女たち」



今石監督らしさがフィルムとして出ていた点では1話と悩みました。

WEBアニメスタイルのアニメ様とカリスマとでやってた企画で今石さんが「今だったら一所懸命作ってる間」と言ってた部分が出てて良いなぁと思う作品です。フラッシュっぽいカットとか。

この回だと勿論作画の良さと、それと張り合うサンジゲンの凄さも注目すべき所ですね。

吉成さんとすしおさんはそこまで真新しい事をやっている訳でもないですが、やっぱりこういうのは格好良いじゃないのん、とw

USTで曰く、この作品は撮影の処理を極力加えない方針で作っていたという事で、宮沢さんのエフェクト作画のフラッシュっぽい処理が圧倒的でした。

作画のジレンマとしての背景との違和感をフラッシュ風の画面で統一させる様な作りがとても新鮮でしたね。





という感じの10選でした。

総合とかシーン単位とかもやってみたいですね。