「戦国コレクション」の雑破業さん脚本に注目してみる

戦国コレクション」がなかなか個性が強くて気になる今期。
どうも各話で別々な脚本家の方が担当しつつ映画を元ネタに話を作っているみたいですね。

・参考
ちなみに1話はローマの休日、3話はベルリン天使の詩、4話は女囚さそり、5話はボウリング・フォー・コロンバインが元ネタになっている
https://twitter.com/#!/gigir/status/198688272518623232


なるほど言われてみると、と。第4話と第5話が分かりやすかったですね。
第2話は「THE IDOLM@STER」でシリーズ構成をされていた待田堂子さんによるアイドルモノな印象が強くて映画が元ネタかわからないですが……。
でもそんな待田さんもTwitterでちょっと意味深なことをつぶやかれてたりしますね。

・参考
戦国コレクション」、今週木曜日から始まります。ちょっとおもしろい作りをしているので、是非、1話からご覧いただけると嬉しいです。m(_ _)m
https://twitter.com/#!/sakuribo/status/187206255272673280


となると余計気になる脚本面ですが、個人的には雑破業さんの回が特に面白いなと思うところ。
先の映画の元ネタに関する部分で言うと、第4話と第5話は分かりやすくて元ネタがあると僕自身気づきましたが、
雑破さんによる第1話と第3話は元ネタはあくまで忍ばせておきつつお話を作る感じになっているんですよね。
第1話はベスパで街を走るパートをじっくり見せて情感を出したり、第3話は翼をハイライトに持ってきて、ベルリンの壁を大きな川に翻案したり。
どちらも話のいいところに元ネタ映画の引用を持ってきている作りになっているな、と。


それとは別に良いなと思うのは生活感で、具体的には「食事」の使い方ですね。
第1話においては信長がハンバーガーやコンビニのおにぎりの食べ方が分からないところで初回らしく別な時代に来たことをまず印象づけたり。
第3話は現代になじんでその料理を楽しむ謙信と、甲斐甲斐しく彼女に合わせて料理を作るも本来の自分とのギャップに苦しむ兼続など。
どちらも現代に過去の人物がタイムスリップしてしまったことから発する生活のギャップが織り込まれていて立ち位置が分かりやすい。
更に言うと、第1話で信長が風呂のあと現代の服を着て食事をして現代も良いと思いだしたり、
第3話で謙信はパジャマ着が多いけど兼続は武将の時の装束のままが多かったりと、「衣装」からも立ち位置が見て取れるのも面白いです。
演出側の意向もあると思いますが、信長が着た服が宿泊先の男性キャラの元カノのものだったり、
わざわざ兼続に「ちゃんとパジャマを着て下さい」って言わせるくだりとか、印象付けるパートを入れてくるのがポイントですね。
戦国時代から現代に来ての生活の差による対応をきっちり描くから観ていて話に入り込めるのかな、と感じました。


そうした食事などの生活を描いて作劇するシナリオといえば岡田麿里さんもそうですが、
最近はあんまりそういう感じじゃないのがちょっと寂しいな、と思ったり。